【現役作業療法士が解説】地域包括ケア病棟ってなに?回復期病棟と何が違うの?【リハビリ】

地域包括ケア病棟ってなに?この記事では、地域包括ケア病棟とは何か、回復期病棟との違いについてまとめています。
この記事を書いている私は、これまでに急性期病院、老健、SNSフリーランスとして働き、現在は地域包括ケア病棟で作業療法士をしています。

目次

地域包括ケア病棟とは?

地域包括ケア病棟は、急性期治療を経過し、病状が安定した患者さんに対して、住み慣れた地域での在宅や一部の介護施設への復帰を支援する病棟です。
厚労省の資料では地域包括ケア病棟の役割は以下の3つとされています。

  • 急性期治療を経過した患者の受け入れ
  • 在宅で療養を行なっている患者等の受け入れ
  • 在宅復帰支援

かんたんに言うと、急性期治療は終わったけど、ADLが低下して家に帰れない。在宅で療養していたけど種々の都合により家で療養することができない。そんな方の在宅復帰を支援する病棟、です。

ですがこれだけだと回復期病棟と何が違うの?となりそうなので、違いを比較しながら説明していきます。

地域包括ケア病棟と回復期病棟の違い

回復期リハビリテーション病棟地域包括ケア病棟
①目的在宅復帰在宅復帰
②対象脳血管疾患、大腿骨近位部骨折など病名の指定なし
③入院日数上限180日(疾患により短縮あり)上限60日
④リハビリ単位数1日9単位まで
1日平均2単位以上
1日9単位まで
1日平均2単位以上
回復期と地域包括の違い

①目的

回復期、地域包括とも、在宅復帰を目指していることに変わりありませんが、役割は少し異なります。回復期では、疾患の発症から急性期を経て回復期で機能回復やADL回復を図り在宅復帰を目指します。それに対し、地域包括では、急性期からの患者の受け入れだけでなく、在宅療養を行なっている患者の受け入れも行います。

地域包括ケア病棟では、在宅からの入院も受け入れます。また、家族の都合で在宅で看ることができない場合に短期間入院する形もあります(レスパイト入院)。

回復期はより積極的にリハビリテーションを、地域包括は積極的にリハビリもするけど、住み慣れた地域で安心して過ごしていただくという特性がありますね。

②対象

回復期では対象疾患が定められているのに対し、地域包括ケア病棟では対象疾患はありません。例えば、下腿の骨折は回復期病棟は対象外ですが、地域包括ケア病棟は入院可能です。

③入院日数

回復期は疾患ごとに最長60日〜180日の入院期間が定められています。地域包括では一律、最長60日となります。回復期、地域包括とも上限なのでこの日数を超えて入院を継続することはできません。

④リハビリ単位数

これはどちらも同じで、1日9単位まで可能で1日平均2単位以上算定する必要があります。回復期は重症例も多く積極的にリハビリを行うため毎日上限の9単位まで算定することが多いですが、地域包括は平均2単位以上になるように介入している、そんなイメージがあります。地域包括ケア病棟が積極的にリハビリを行なっていないわけではないですが、人員や重症度の点で回復期の方がより積極的なリハビリを行なっているところが多いでしょう。(やらないと間に合わない。)

まとめ

地域包括ケア病棟ってなに?と言うところから回復期と地域包括ケア病棟の違いまで解説してきました。

私が今働いている地域包括ケア病棟はほとんど整形外科疾患の患者しかいません。しかし、回復期では整形だけでなく、脳外科、循環器、呼吸器疾患などある程度疾患も増えます。また、病院によっては総合病院内の地域包括ケア病棟になると疾患の幅も広がるかなと思います。

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