急性期で6年、1年間のフリーランスを経験し、老人保健施設(老健)に転職しました、週4パートOTのナマケモノです。
老健で働き始めて1ヶ月が経ったので、急性期と比較した老健のメリットとデメリットを紹介します。
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老健でのリハビリ業務について
まず簡単に、老健でのリハビリ業務について説明します。
老健では大きく分けて、個別リハビリと、集団リハビリを行います。個別リハビリは、病院で提供するリハビリと同じで、1人のセラピストが1人の利用者に対して提供する、1対1のリハビリです。訓練内容は個人により異なりますが、これは1人1人に目標があり、プログラムがあるので、病院でも施設でも同じですよね。
集団リハビリは1人のセラピストが多数の利用者に対して提供するリハビリです。指先の運動や座ってできる体操などを行なっています。
頻度は1人の利用者に対して、個別リハと集団リハを併せて2回/週以上実施しています。短期集中加算算定の利用者に対しては個別を3回/週以上実施しています。短期集中リハビリテーション加算についての説明はここでは省略させていただきますね。
老健で働くデメリット
では実際に、急性期総合病院から老健に転職してみてどうだったのかを話していきますね。
①病院の安心感がない
当たり前ですが、老健には病院のような安心感はありません。特に私が働いていた病院は3次救急だったので重症な患者や複雑な既往歴を持った患者が多くいました。院内で急変が起きてもすぐに人が集まり、蘇生や緊急手術が行われている現場を経験してきました。老健の入所者は病態が安定しているとはいえ、何らかの既往を持つ高齢者も多いです。調子を崩されて病院を受診されたり、救急搬送される方もおられます。医師や看護師がいるとはいえ、やはり何かあった時の安心感は病院とは比べ物になりません。
②物品が少ない
これは施設にもよりますが、リハビリ物品は少ないです。作業療法士ならよく目にする輪投げやアクリルコーン、ペグなどのリハビリ物品はありませんでした。歩行器や平行棒、プラットホームはあったので限られた物品の中で提供できるリハビリを探しています。
③福利厚生が薄い
これは母体の大きさにもよると思います。前職の病院が大グループだったので福利厚生はとても充実していました。転職した老健も、悪くはありませんでしたが前が良すぎたんだなと改めて実感しました。ずっと同じところにいると当たり前ですが、外に出てみると見え方や感じ方が変わってくるもんですね。
具体的には、通勤手当、扶養手当、食事補助などはありましたが、学会・研修会の助成や社員旅行などはありませんでした。この辺りはやはり大きなグループ病院には敵わないところだと思います。
④人に頼れない
よくも悪くも自分自身がリハビリや制度について勉強して調べる必要があります。前職ではリハビリ職だけで数十人規模でしたので頼れる上司や同僚、後輩が多くいました。老健では自分を含め2人体制だったのでマンパワー不足は否めません。
ある程度の経験や知識を有する人が転職するには向いていますが、新卒での就職は絶対に辞めた方がいい!と個人的に思っています。反対に新卒はある程度同期がいて、先輩が程よい年齢層に振られていて、教育体制の整っているところがいいんじゃないかなと経験的に思いました。もちろん相性や希望もあるので最終的に決めるのは自分自身ですけどね。
老健で働くメリット
ここからは老健で働いてみてよかったところを紹介します。
①時間的にゆとりがある
1日のタイムスケジュールにゆとりを持って働くことができました。急性期では、他職種や検査などの兼ね合い、自分の診療以外にも後輩指導や学生指導、管理業務、院内や部署内の委員会業務など慌ただしく1日を過ごしていました。しかし老健ではほとんどの時間が自分のリハビリ業務に充てることができたのです。これはかなり精神的にも肉体的にもゆとりが持てましたね。
看護師や介護士も優しくアットホームな雰囲気だったので余計にそう感じたのかもしれません。
②残業0時間
なんと残業は0時間。始業前残業もなく就業時間ちょうどに退勤し帰っていました。前職ではなかなかそうはいかず、単位ノルマや急な書類、帰りたくても帰れない。なんなら残業当たり前、のような雰囲気さえありました。むしろ残業代ありきで考えている人も多いほどです。ある程度の残業は仕方ないことかもしれませんけど社風は大きく影響されると思います。
③給料が増えた
単純に給料が増えました。転職において何を重視するかは個人により変わりますが、お金の問題は重要ですよね。個人的に思うリハビリ職の給与が高い分野は、医療保険領域<介護保険領域です。訪問、給料高いですよね?昇給を目指して転生するなら候補の一つとして考えてみてはいかがでしょうか?
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