【地域包括病棟】POCリハビリってなに?疾患別リハビリとの違いは?【現役作業療法士が解説】

POCリハビリってなに?地域包括病棟で働いたことのあるセラピストにとっては、馴染みのある言葉ですが、「初めて聞く」という方も多いですよね。
この記事では、POCリハビリとはなにかついてまとめています。
この記事を書いている私は、これまでに急性期病院、老健、SNSフリーランスとして働き、現在は地域包括ケア病棟で作業療法士をしています。

目次

POCリハとは

POCリハ(Point of Care リハビリテーション)とは、地域包括病棟に入院中の患者の傍らで、個別に短時間(20分未満/回)、直接介入するリハビリテーション、と定義されています。

かんたんにいうと、「病棟での実際の生活場面での短時間の介入」になります。例えば、OTが単発でトイレ動作のリハをする。PTがトイレまでの移動動作のリハを行う。など、1単位はかからないけど生活で必要だよね!という場面で、療法士によって行われるのがPOCリハです。

POCリハの注意点と疾患別リハとの違い

地域包括病棟には大きく分けて2つのリハビリが行われています。「疾患別リハ」「POCリハ」です。疾患別リハは、運動器リハや脳血管リハなどを、POCリハは20分未満の生活リハを指します。

POCリハの注意点

①主治医が包括的指示として処方すること
②療法士が実施すること
③リハビリテーションの記録の記載が必要(分単位)
④療法士の勤務時間として計算すること
⑤疾患別・がん患者リハビリテーションと同時実施は不可
⑥1日平均2単位以上の算定には含まれない

⑤の解釈が少しややこしいので具体的に説明します。ここで表記されている同時実施とは同時刻に実施の意味になります。

患者Aに対して、午前9時〜10時まで疾患別リハを3単位した。午前11時~11時15分にPOCリハを1回した。これは大丈夫です。

患者Aに対して、午前9時〜10時まで疾患別リハを3単位、その間に(9時30分~40分)POCリハをした。これは認められません。

疾患別リハとの違い

POCリハ
疾患別リハ
  • 1日平均2単位以上のリハに含まない
  • 20分未満の介入
  • 疾患別リハ患者もPOCリハできる
  • 1日平均2単位以上のリハに含まれる
  • 1単位20分以上の介入

違いは大きく2つ。単位数に反映されるかどうかと介入時間です。地域包括では、入院期間内に疾患別リハが処方されていると、1日平均2単位以上の疾患別リハビリを行わなければなりません。POCリハは1回の介入が20分未満なので単位の概念はありません。

まとめ

地域包括でのPOCリハについて解説しました。

最後に、実際の現場ではどのように行われているのか。わたしの経験を元に紹介します。
実際には、疾患別リハは疾患別リハのみ。POCリハはPOCリハのみを実施しています。POCリハのみを実施するのは、体力的に平均2単位のリハを行えない患者や、逆に軽症すぎて1単位もかからないような患者などのケースです。そのほかには勤務する療法士のマンパワー不足により、疾患別に対応できず、POCで調整する場合もあります。
療法士が充実している職場では、疾患別リハとPOCリハの両方を行えると思いますが、どちらか一方のリハとなる場合がほとんどです。個人的には、PTががっつり疾患別リハを行い、OTがPOCリハで介入するのが患者のADLアップに直結しやすく、療法士の特性も活かしやすいのではないかと思っています。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

この記事が気に入ったら友達にシェアしよう

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次